お知らせ

2012.04.10 当院の小菅栄子が朝日新聞 全国版社会面に掲載されました

親子2代で歯による身元確認にかかわる
朝日新聞 全国版社会面(2012.4.1)

群馬県高崎市で診療する傍ら、歯型からの遺体の身元確認技術を研究する。東日本大震災では、宮城県警に協力。遺体の歯型の画像をデジタル撮影し、パソコンで管理できるようにするなど、作業のIT化を手助けした。

「歯による身元確認」に出会ったのは、中学生だった1985年の日航ジャンボ機墜落事故。高崎市の歯科医だった父・故篠原瑞男さんが駆り出された。連夜、遺体と向き合った臭いとともに帰宅する姿に、「家族の元に帰すんだという使命感を感じた」。

迷わず歯科部へ。群馬県警で父の検視作業を手伝った。遺体を調べ、生前の記録と紙ベースで照らし合わせる。やり方は85年と変わらなかった。「大きな災害や事故では確認が追いつかない」。指紋のように画像をパソコンで照合しようと考え、東北大の協力を得て07年から成果を発表し始めた。

父が生きていたら飛んでいったはず―。東北大震災の現場に赴き、遺体安置所で棺を次々と開けて家族を探す人々を見た。「あんなむごいことを遺族にさせちゃいけない」。画像照合は実用化できなかったが、IT化が作業時間の大幅な短縮につながった。

新年度から、CT画像の照合の研究も始める。「25年前から進歩しないと父や犠牲者に恥ずかしい」。今の時代だからできることを、と志を新たにする。

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