お知らせ

2014.05.01 朝日新聞【群馬県版】に「乗客の身元確認に従事 亡き父の思い継ぐ」の見出しで掲載されました

歯型照合より迅速に
高崎の小菅さんら研究

乗客の身元確認に従事 亡き父の思い継ぐ
朝日新聞 群馬県版(2013.8.8)

1985年8月12日に起きた日航機墜落事故では、歯型の照合が遺体の身元確認に大きな役割を果たした。
28年前の悲劇の教訓を生かそうと、新潟県歯科医師会や高崎市の歯科医師らが、災害時に素早く歯型を照合できる仕組みづくりに取り組んでいる。
現在は患者の歯型を記録する共通のマークシートの実用化をめざしており、今年度中に記録する項目を決める。

この取り組みは「新潟プロジェクト」と呼はれる情報技術(IT)を活用した歯型と身元確認の共同研究の一環。高崎市の篠原歯科医院の小菅栄子院長(41)も中核メンバーの一人だ。

小菅さんの父の故・篠原瑞男さんは、上野村の御巣鷹の尾根に墜落したJAL123便の乗客らの身元確認に歯科医師として携わった。
その父の思いを受け継ぎ、小菅さんは神奈川歯科大の研究生時代、レントゲン写真を身元確認に応用する研究を始めた。
東北大の研究室と共同で2007年、コンピューターでレントゲン写真を自動照合する技術を開発した。

さらに新潟県歯科医師会のプロジェクトに加わり、カルテ情報のデータベース化を研究していたさなかの11年3月、東日本大震災が起きた。
メンバーは被災地で身元確認に奔走したが、決め手となるカルテは歯科医によって書き方がばらばら。
読み取ってデータを統一する作業に連日、夜を徹して取り組んだ。
「事前に同じ仕組みで情報を共有していれば、迅速に確認できる」。
小菅さんら新潟プロジェクトのメンバーは、歯の治療痕や特徴が一目でわかる全国共通のマークシートの導入を実現しようと、動き姶めた。
マークシートでは上下の歯それぞれに数字を割り当て、1本ずつ「健全歯」「仮歯」など当てはまる項目にチェックし、デジタル情報としても保存できる。

この取り組みは今年度、厚労省の委託事業となった。新潟県歯科医師会によると、協力を得た同県内約40の歯科医院が6月から試験運用。
歯科医の意見を聞き、今年度中にチェック項目を最終決定する。
「大災害が起きてからでは遅い。取り組みを早く全国に広げたい」。
そう話す小菅さんは毎年、慰霊登山で御巣鷹の尾根を訪ねている。12日も登る予定だ。戸山下奈緒子)

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