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2014年05月の記事一覧

2014.05.16 篠原歯科医院の3代目院長になり5年目を迎えることができました

篠原歯科医院の3代目院長になり5年目を迎えることができました。
これもひとえに、皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。
志と技術の両面でハイレベルな「町医者」を目指して、より一層精進して参ります。

また、五周年を記念にサクラのマークを新しいデザインにしました。
(デザイン:三澤将吾 (Shogo Misawa)様。
私のトレードマークとしても使用したいと思います。
また、このサクラマークは本院の義歯刻印として使用していきます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

(2014.5.16)  小菅栄子

2014.05.01 讀賣新聞に「災害に備え 歯の記録 統一」の見出しで掲載されました

災害備え、歯の記録統一
讀賣新聞(2014.4.7)

治療痕など歯の状態を統一様式で記録する「標準化」が、東日本大震災を機に注目されている。大規模災害時に、遺体の身元を迅速に確認する狙いだ。
南海トラフ地震でも大きな被害が想定され、国も全国共通のフォーマット作りを目指す考えだ。
日本人が海外でテロ災害に巻き込まれたようなケースにも活用できる可能性を秘めている。(社会部 木村直子、大阪社会部 今岡真)

■デジタル化
大人なら32本の永久歯の一本一本の状態について、虫歯でなければ「1」、詰め物があれば「2」、銀歯なら「3」、歯がなければ「4」―という具合に、ルールに沿って数字や記号に置き換え、デジタルデータ化するのが「標準化」だ。
東日本大震災の際、身元不明遺体の確認作業に携わった東北大の青木孝文教授(情報工学)に先月、標準化の仕組みを用いた検索ソフトを動かしてもらった。

パソコンに向かった青木教授が、遺体から採取したという想定で「433134……」とそれぞれの歯の状態を表す32個の数字を入力。検索コマンドをスタートさせると、生前に採取したと想定して登録しておいた1000人分の歯の情報との突き合わせが始まり、瞬時に遺体との一致度合に応じて1から1000の順位が付けられた。
「被害が大きくなればなるほどこの仕組みは威力を発揮する」と青木教授は語る。

■被災地の現実
東日本大震災の被災地では、手がかりの少ない遺体の身元特定が難航した。
変化しにくい歯の情報は、身元を調べる有力手段のひとつとして注目された。
しかし、生前記録の基になるカルテの入手は難しく、記載様式も医院によってバラバラ。
現地の歯科医は「やみくもに一件ずつ突き合わせることは、現実的ではなかった」と振り返る。
ハードな作業に心身の不調を訴える歯科医も続出した。
そこで、青木教授の研究グループが震災2か月後、専用ソフトを開発。宮城県警によると、約500人の身元不明遺体について、検索ソフトで「候補」を絞り込み、DNA鑑定などと組み合わせて特定作業をスピードアップした。
震災後、南海トラフ地震で被害が予想される静岡や高知などからも問い合わせがあり、同大はソフトを100セット以上配布した。厚生労働省も「標準化」に注目。3月まで新潟県で実証事業を行った。
歯の状態を表す選択肢を増やして精度を上げ、マークシートの記録用紙を導入。
死者に見立てた1736人のデータを基に、半数の歯が死後に抜け落ちたと想定した実験でも、「生後」のデータを入力して「生前」の本人データが一覧の先頭に来た確率は87.5%。上位18位では99%に達した。
厚労省では「高い確率で本人を絞り込めた」と評価。
どこの災害でも対応できるよう、全国共通フォーマットを整備したい考えだ。

■海外と連携
海外の身元確認法に詳しい斉藤久子・千葉大准教授(法医学)は「外国で災害に遭った日本人の身元特定にも役立つ」と指摘する。厚労省も今年度の実証事業で、標準化したデータを海外のデータと連携させる可能性を検討する。
国が念頭に置くのは、国際刑事警察機構(ICPO※International Criminal Police Organization(Interpol))の「災害犠牲者の身元確認システム」。治療痕などをアルファベット3文字の略語で表記する。
ICPO方式でまとめたデータは、世界の「共通言語」になり得る。フィンランドは、2004年のスマトラ沖地震で行方が分からなくなった自国民について、独自に標準化したデータをICPO方式に対応したものに変換。
現地の遺体データと照合し、112人の身元を特定した。こうした事例を踏まえ、斉藤准教授は「まずは国内の標準化を急ぐべきだ」と訴える。「来日中に死亡した外国人の身元特定にも活用できる」と指摘する専門家も多い。20年の東京五輪・パラリンピックを控えて訪日外国人の増加は必至で、活用の幅が広がる可能性もありそうだ。

身元確認 迅速化図る
データ蓄積は厚労省慎重

厚労省が検討する「標準化」は、データを記録する統一フォーマットの整備に主眼を置く。
専門家の間では、大規模災害の発生時を考慮して、データの集約や蓄積を求める声も多い。
ただ関係省庁は、データベース化にまで踏み込むことには消極的だ。
東日本大震災では多くの歯科医院が被災し、カルテも津波に流された。この経験から、厚労省もデータのバックアップを取ることの必要性は認めるが、「データベースありき、ということではない」と慎重な姿勢。
省内には「厚労省の仕事は国民の健康増進。死者の身元確認を前提としたデータ収集は、所轄事項ではない」という意見もある。
災害時に遺体の身元を確認するのは主に警察の仕事だが、警察幹部は「患者の情報はあくまで厚労省が管理すべきだ」と指摘する。

歯の状態などを他人に知られたくない「プライバシー」と感じる人から、反発や抵抗を受けるとの懸念もある。
国が2012年に公表した南海トラフ地震の想定では、最悪の場合、30都道府県で32万人が死亡する。
「標準化」のあり方を話し合う厚労省の有識者検討会に参加する日本大の小室歳信教授(法医学)は「次の大規模災害に備えて、
標準化とデータベース化を一体的に議論し、導入を急ぐべきだ」と話している。

2014.05.01 朝日新聞【群馬県版】に「乗客の身元確認に従事 亡き父の思い継ぐ」の見出しで掲載されました

歯型照合より迅速に
高崎の小菅さんら研究

乗客の身元確認に従事 亡き父の思い継ぐ
朝日新聞 群馬県版(2013.8.8)

1985年8月12日に起きた日航機墜落事故では、歯型の照合が遺体の身元確認に大きな役割を果たした。
28年前の悲劇の教訓を生かそうと、新潟県歯科医師会や高崎市の歯科医師らが、災害時に素早く歯型を照合できる仕組みづくりに取り組んでいる。
現在は患者の歯型を記録する共通のマークシートの実用化をめざしており、今年度中に記録する項目を決める。

この取り組みは「新潟プロジェクト」と呼はれる情報技術(IT)を活用した歯型と身元確認の共同研究の一環。高崎市の篠原歯科医院の小菅栄子院長(41)も中核メンバーの一人だ。

小菅さんの父の故・篠原瑞男さんは、上野村の御巣鷹の尾根に墜落したJAL123便の乗客らの身元確認に歯科医師として携わった。
その父の思いを受け継ぎ、小菅さんは神奈川歯科大の研究生時代、レントゲン写真を身元確認に応用する研究を始めた。
東北大の研究室と共同で2007年、コンピューターでレントゲン写真を自動照合する技術を開発した。

さらに新潟県歯科医師会のプロジェクトに加わり、カルテ情報のデータベース化を研究していたさなかの11年3月、東日本大震災が起きた。
メンバーは被災地で身元確認に奔走したが、決め手となるカルテは歯科医によって書き方がばらばら。
読み取ってデータを統一する作業に連日、夜を徹して取り組んだ。
「事前に同じ仕組みで情報を共有していれば、迅速に確認できる」。
小菅さんら新潟プロジェクトのメンバーは、歯の治療痕や特徴が一目でわかる全国共通のマークシートの導入を実現しようと、動き姶めた。
マークシートでは上下の歯それぞれに数字を割り当て、1本ずつ「健全歯」「仮歯」など当てはまる項目にチェックし、デジタル情報としても保存できる。

この取り組みは今年度、厚労省の委託事業となった。新潟県歯科医師会によると、協力を得た同県内約40の歯科医院が6月から試験運用。
歯科医の意見を聞き、今年度中にチェック項目を最終決定する。
「大災害が起きてからでは遅い。取り組みを早く全国に広げたい」。
そう話す小菅さんは毎年、慰霊登山で御巣鷹の尾根を訪ねている。12日も登る予定だ。戸山下奈緒子)

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