お知らせ

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2009.03.19 上毛新聞に記事掲載されました

歯での身元確認システムを解説
前橋で小菅さん、青木教授講演

上毛新聞(2009.2.22)

 歯のエックス線写真を利用したパソコンで身元確認システムを日本で初めて開発した高崎市高関町の歯科医、小菅栄子さんと、研究開発をバックアップしている東北大の青木教授による講演が19日夜、前橋文京町の県生涯学習センターで行われた。

 県保険医協会が定期的に開いている研究会の一環。同システムに注目している県警の関係者や歯科医師ら約100人が出席し、熱心に耳を傾けた。

 小菅さんは検視警察医の立場から、自ら開発したシステムについてスクリーンを使って説明。地震など巨大災害の際、身元確認に大きな威力発揮するとして、その基礎となる歯科情報のデータベース化と緊急時の迅速な情報提供制度の必要性を訴えた。

 青木教授は、システムの根幹となる画像のマッチング時術について解説。制度は高まっており、実用化に向け歯科医師会と政府、自治体、警察などが連携して制度化を、と期待感を示した。

2009.03.19 朝日新聞に記事掲載されました

歯のX線画像照合 遺体の身元確認へ
高崎の歯科医ら研究

朝日新聞(2009.02.25)

 大規模災害などが起きた時の歯による遺体の身元確認を支援するシステムを研究している高崎市の歯科医小菅栄子さんと東北大学大学院情報科学研究科の青木孝文教授がこのほど、前橋市内で開かれた保険医協会の定例研究会で講演した。

 小菅さんは、85年の御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事故で、歯科医師らが遺体の身元確認に苦労した経緯を知り、この研究を志した。

 青木教授らと協力し、互いにずれやゆがみのある画像同士を照合する「位相限定相関法」という手法を歯に適用。生前と死後の歯のX線画像を照合し、同一人物かどうかを素早く確認できるシステムの研究に取り組んでいる。

 ただし、誰が巻き込まれたかわからない地震などの天災やテロのような事件に際しては、生前のX線画像を収集することが難しい。

 そこで、今回のシステムを有効に活用するために小菅さんらは、現在歯科医院がそれぞれ保存している画像を、将来的には大規模なデータベースとして整理する必要があると見ている。

 個人の特定につながる歯の情報データベース化には、利点だけでなく課題もあることから、出席者に理解と協力を呼びかけた。

2008.10.11 静岡新聞で、当院の小菅栄子のインタビューが掲載されました

静岡新聞の「本音インタビュー」というコーナーで、当院の小菅栄子のインタビューが掲載されました。


歯の身元確認システム開発
実用化へ制度設計模索

静岡新聞(2008.9.20)

歯のエックス線写真を使った身元確認システムを世界で初めて開発した。東海地震などの大規模災害に備え、県歯科医師会や県など本県関係機関、団体と連携して実用化を目指している。9月1日には県総合防災訓練の主会場となった静岡市を訪れ、県警や市、県歯科医師会などの検視合同訓練を視察した。

-開発したのはどんなシステムですか。
「生前と死後の歯のエックス線写真を自動的に比較することで、手作業で紹介する候補を瞬時に3~5%まで絞り込むことができるシステムです。東北大大学院の青木孝文教授の画像処理技術を取り入れることで、課題だったエックス線写真生じるひずみを解析し、補正できるようになりました。」

-システム開発のきっかけを教えてください。
「父が地元の歯科医として遺体の身元確認作業に当たった1985年の日航ジャンボ機墜落事故です。歯科医は歯の治療以外にも社会に貢献できる役割があることを知りました。その後、歯科医として父の検視業務を手伝うようになって作業の大変さを知り、何か自分のできることはないか-と考えるようになりました。大学の放射線学教室で学んだデジタルエックス線画像について研究を重ね、システムを開発しました。」

-日航ジャンボ機が墜落した御巣鷹の尾根の慰霊登山をされているそうですね。
「大学卒業後はほぼ毎年、父に同行して登っています。2002年、亡くなった高浜雅巳機長の妻淑子さんと登山中に偶然、出会いました。初めて会話した中で、『身元確認が終わったと言われて5本の歯を渡されたが、本当に主人の歯なのか信じられない』と言われ、大変なショックを受けました。当時、デジタルエックス線写真に生じるひずみを解消できず。照合の精度が上がらないため研究は足踏みをしていましたが、頑張ろうという気持ちになりました」

-今後の課題と抱負を聞かせてください。
「まずは生前と遺体の歯のエックス線写真を1対1で異同識別するソフトを開発し、普及させたいです。現場で使いやすいソフトを作らなければなりません。次に生前の歯のエックス線写真データベースの構築です。データベースの構築は歯科医師や県民の方々の理解と協力が必要なので、非常に時間がかかります。エックス線写真は地震などの災害で失ってはいけない社会の財産です。静岡では歯科医師や県、県警が一体となった検視訓練を視察して、防災意識の高さに感銘を受けました。先進県としてリードしてもらえるように、実用化のための制度設計を模索していきたい」

2008.09.21 御巣鷹の慰霊登山と歯の照合システムについて、たくさんの地方紙に取り上げていただきました

■共同通信社
【時の人】歯の身元確認システムを開発した歯科医師・小菅栄子さん
他にも以下の新聞で取りあげていただきました。

8/138/148/158/168/17
愛媛新聞
沖縄タイムス
京都新聞
高知新聞
神戸新聞
上毛新聞
中国新聞
徳島新聞
新潟日報
日本海新聞
北国新聞
秋田さきがけ
岩手日報
西日本新聞
山陽新聞宮崎日日新聞
山形新聞
岐阜新聞
山陰中央新聞
東京新聞
福井新聞

(アイウエオ順)

■産経ニュース
「歯から身元」 日航機事故検視医の娘 確認システム開発
他にも以下の新聞で取りあげていただきました。

8/12 河北新報(夕刊)
8/12 山形新聞 →詳細はこちら

2008.08.29 静岡新聞に記事掲載されました

県都の備えは…-2008・9・1 県総合防災訓練-
【2】進まぬ遺体処理計画 タブー視せず対応急務

静岡新聞(2008.8.29)

 県の第3次被害想定は冬の早朝に突然東海地震が発生した場合、県内で約5800人が死亡するとしている。70万人を抱える静岡市の犠牲者は約1370人で県内死者数の4分の1に迫る。東海地震説の提唱から30年余。タブー視されてきた遺体処理の問題が、転機を迎えている。

  「一刻も早く家族の元に帰してあげたい」。23年前に群馬県で起きた日航ジャンボ機墜落事故を教訓に、歯のエックス線写真を使った身元確認システムを開発した群馬県警察医の歯科医師小菅栄子さん(37)。今年から東海地震が想定される本県の協力でシステムの実用化を目指している。

  日航機墜落事故は犠牲者520人。損傷が激しく、身元確認が難航した。小菅さんが東北大と開発したのは遺体の歯のエックス線写真を生前の写真と自動照合、即座に身元を特定する世界初のシステム。遺族への引き渡しを早め、歯科医師の負担も大幅に軽減する。

  小菅さんは「身元確認の遅れは遺族の経済的な再建も遅らせる。家族なのに貯金は下ろせず、保険金ももらえない。大規模災害時にはきっと社会問題になる」と訴える。

  平成7年の阪神・淡路大震災では遺体処理の問題が表面化。ひつぎやドライアイス、火葬場などが不足した。国は9年に「広域火葬計画」策定指針を作り、市町村の遺体処理計画策定を促した。10年以上たつが、県内で策定済みは10市町にとどまる。

  「今でも禁忌される部分があり、市町の動きを鈍らせている」(県防災局幹部)。静岡市を含む残りの市町は本年度中の策定を目指すが、先行きは不透明なままだ。

  多くの津波死者を出したスマトラ沖地震を視察した防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さん(57)は「生存者の対応が優先だという考えで、行政は遺体処理の問題を十分に受け止めてこなかった」と指摘。「感染症の発生や遺族の心的ケアを考えれば、発災直後から人命救助と並行して処理すべき問題。小菅さんらの活動が今までのタブーに風穴をあけるかもしれない」と期待する。
  小菅さんは毎年、墜落事故があった8月12日に御巣鷹に登っている。今年も慰霊碑を前に実用化への思いを強くした。「多くの死を無駄にしないためにも、私たちは大規模災害時の遺体処理の問題から目を背けてはいけないと思うんです」

2008.08.29 御巣鷹の慰霊登山と歯の照合システムについて、西日本新聞に掲載されました

新聞各紙に当院の小菅栄子らが開発中の「大規模災害時における歯のX線写真を利用 した身元確認システム」について、日航機墜落事故の慰霊登山についての記事が西日本新聞に掲載されました。


歯の身元確認システムを開発した歯科医師
歯科医の小菅栄子さん

西日本新聞(2008.8.14)

 「歯医者に遺体の身元確認という大切な仕事があると知ったのは、歯医者の父が身元確認に携わった日航ジャンボ機墜落事故の1985年、中学生の時だった」と研究の原点を振り返る。その遺族に励まされ、歯のエックス線写真を利用したパソコンでの身元確認システムを日本で初めて開発、歯科放射線学会の学術奨励賞を受賞した。

 父親にあこがれ歯医者になった。今は父親が院長を務める群馬県高崎市の歯科医院に勤務する。検視警察医としても働く父親の姿を見て、システムの開発を思い立った。「それから10年。日航ジャンボ機墜落事故の遺族が背中を押してくれた」

大学卒業後、8月12日に毎年父親が行っていた御巣鷹の尾根(群馬県上野村)への慰霊登山に参加し始めた。2002年、登山道で高浜雅己機長=当時(49)=の妻、淑子さんと巡り合う。

「夫として5本の歯が渡されたが、本当に夫なのか納得していない」。初めて交わした遺族との会話に衝撃を受ける。父親と2人で後日、淑子さんに歯の身元確認の正確さを説明。「17年間悩み続けたことを知り、遺族の悲しみの深さを感じた」という。

12日の慰霊登山では、昇魂之碑の前で犠牲者の冥福を祈るとともに研究成果を報告。「あなたのような研究者がいるなら520人の犠牲も無駄にならない」との遺族の言葉に涙した。迅速な身元確認で「遺体を一刻も早く愛する家族に返したい」。そんな思いが満ちあふれた。群馬県出身。2児の母の36歳。

2008.08.13 朝日新聞に記事掲載されました

今年も会えたね
慰霊登山に235人

朝日新聞(2008.8.13)
本紙記事より抜粋

初めて訪れた東北大大学院の青木孝文教授(43)は、大規模災害時の身元確認方法を研究する高崎市の歯科医小菅栄子さん(36)に技術面で協力している。「ここが研究の原点だと聞き、一度来たいと思っていた。現場感覚を忘れてはいけない」と語った。

 現職の知事として初めて、夏の慰霊登山に加わった大沢正明知事は「想像以上に険しい道だったが、高齢の方が登山されていた。その悲しみを思うと胸が痛い」と語った。

 日本航空の西松遥社長は昇魂之碑の前で「企業風土を改革し、人的ミスを撲滅したい」と話した。

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